「寝ても疲れが取れない」「朝までぐっすり眠れない」など、睡眠について悩んでいる方は少なくありません。睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2つの状態があり、これを繰り返すことで、脳と身体を休息させるなどのさまざまな作用が起きています。特に脳は睡眠中にしか休息できないため質の良い睡眠を取ることが大切です。睡眠の質が低下すると心身の疲労回復や機能の修復ができなくなります。睡眠の質を高めて、心と身体を健やかに保ちましょう。
睡眠が心身の健康に与える影響

しっかり眠ることで自律神経の副交感神経が優位になり、疲労した脳や身体を休息させ、心身のリズムが安定します。

入眠直後の深い眠りは、その日に得た多くの情報や出来事を記憶として整理・定着させることに深く関係しています。

睡眠中には成長ホルモンなど、たくさんのホルモンが分泌され、身体の修復、成長促進など身体機能を調整しています。十分な睡眠を取ることでホルモンバランスが整い、分泌が活発化します。

免疫機能は、睡眠中に維持・強化されています。免疫の調整には自律神経が関係しており、睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こし、免疫力を低下させ、感染症やがん、循環器疾患などのリスクを高めることが報告されています。

脳内に蓄積されたアミロイドβと呼ばれる老廃物は、アルツハイマー型認知症の発生要因の一つとされており、睡眠中に除去が行われていることが分かっています。
「体内時計」を整えると睡眠の質が向上します。
規則正しい生活を心がけ、良い睡眠につなげましょう。

たばこに含まれるニコチンは交感神経を刺激し、覚醒作用によって入眠を妨げます。
お酒を飲むと早く寝付くことができる一方、覚醒作用によって眠りが浅くなります。
暖色系の灯りに。また、就寝時は不安を感じない程度に寝室を暗くしましょう。
季節に応じて心地よいと感じられる程度に調整しましょう。
軽量かつ保温性・吸湿性の高い布団や、枕の高さなど、自分に合った物を選びましょう。
公益財団法人 大阪府保健医療財団 大阪がん循環器病予防センター
循環器病検診部長 岡田武夫 監修