乳がんは女性が最もかかりやすいがんで、毎年9万人を超える女性が乳がんにかかっています*。
しかし、早期に発見して治療すれば比較的治りやすいがんでもあります。早期がんのうちに発見するには、定期的に検診を受けることが大切です。国の指針では40歳~69歳の女性に2年に1回の受診を推奨しています。40歳になったら2年に1回検診を受けましょう。
*国立がん研究センター「全国がん罹患データ(2016年~2019年)」
乳がんとは
乳がんは乳腺組織にできます。発症しても自覚症状はありませんが、がんが1cmぐらいになると“しこり”として分かるようになります。
がんの大きさが2cm以下の早期がんであれば、ほぼ完治します。また、がんが小さければ乳房の温存(一部切除)ができ、乳房を切除する場合でも、健康保険を使って乳房再建が可能です。
【注意】しこりがすべて乳がんというわけではなく、乳腺症などでも良性のしこりができます。
乳がんの発生、増殖には女性ホルモンのエストロゲンが深くかかわっています。「初経年齢が早い」「閉経年齢が遅い」などで、エストロゲンの分泌期間が長くなることが、乳がんの発症に関与していると考えられています。
乳がんの主なリスク要因
- 初経年齢が早い
- 閉経年齢が遅い
- 閉経後、肥満傾向である
- 初産年齢が遅い
- 出産、授乳経験がない
- 飲酒量が多い
- 運動不足である
- 乳がんになった血縁者がいる など
自己検診で
乳がんを早期発見
しこりが1cmぐらいになると自分で触っても分かるため、自己検診は早期発見に有効です。月1回、月経後1週間ぐらいに行いましょう。
【注意】自己検診をしても、乳がん検診は受けましょう。
形や皮膚の様子をチェック
鏡の前で、両手を広げた状態と下げた状態で乳房の大きさや形の左右差、皮膚のひきつれなどがないかを確認。乳頭を軽くつまみ、分泌物が出ないかも確認しましょう。

しこりをチェック
指の腹で乳房を適度に圧迫しながら、うずを描くようにゆっくり手を動かし、しこりがないかチェックしましょう。触る範囲は、鎖骨の下から乳房の下までとわきの下です。

当健保組合では
乳がん検診の費用を補助しています
検査方法 | マンモグラフィ・乳房超音波検査 |
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補助対象 | 30歳以上の女性 |
マンモグラフィは乳房を片方ずつ透明な板で挟んで圧迫し、X線撮影を行ってがんがないかを調べます。 乳腺が発達している若い方や授乳中の方、乳腺濃度の高い(乳腺組織が多い)方は、マンモグラフィよりも超音波検査がすすめられます。

詳細につきましては、当健保組合のホームページをご覧ください。
公益財団法人 大阪府保健医療財団 大阪がん循環器病予防センター
循環器病検診部長 岡田武夫