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問題:太っているより痩せている方が健康リスクが低い? ○/×

問題:太っているより痩せている方が健康リスクが低い? ○/×

自分は痩せている?太っている?
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 肥満度の判定には、BMI([体重(kg)]÷[身長(m)2])が用いられており、男女ともに18.5以上25未満が「普通体重」、18.5未満が「痩せ」とされています。

注1)ただし、肥満(BMI≥25.0)は、医学的に減量を要する状態とは限らない。
なお、標準体重(理想体重)はもっとも疾病の少ないBMI22.0を基準として、標準体重(kg)=身長(m)2×22で計算された値とする。

注2)BMI≥35.0を高度肥満と定義する。

BMI (kg/m²) 判定
18.5 未満 矢印 低体重
18.5 以上 25.0 未満 矢印 普通体重
25.0 以上 30.0 未満 矢印 肥満(1度)
30.0 以上 35.0 未満 矢印 肥満(2度)
35.0 以上 40.0 未満 矢印 肥満(3度)
40.0 以上 矢印 肥満(4度)

痩せ過ぎの男性は、
がんの死亡リスクが高くなる

S Sasazuki,et al.J Epidemiol.2011;21:417-430

 男性16万人を対象にした国立がん研究センターの調査では、死亡リスクが低いBMI23.0~24.9の人のがんの死亡率を1とした場合、痩せ過ぎている人(BMI14.0~18.9)は1.44、太り過ぎている人(BMI30.0以上)は1.20となっており、太っている人よりも痩せている人の方が、がんの死亡リスクが高いことが分かっています。
 痩せている人は、骨格筋量が少ないため、死亡リスクが高まると考えられています。
 また、過度のダイエットなどで低栄養状態に陥ると、免疫機能が低下することも原因と考えられています。

痩せ過ぎの女性は、
糖尿病発症・骨密度低下の
リスクが高くなる

 若年女性(18~29歳)を対象にした研究*1で、BMI18.5未満の人は、標準体重の女性よりも、食後高血糖になる「耐糖能異常」のリスクが約7倍高いことが明らかとなりました。耐糖能異常は糖尿病の発症因子であるため、早めの対策が必要となります。
 また、痩せていると骨粗しょう症の発症リスクも高めます。20歳時点および中高年期(一般的に、40代〜50代半ばくらい)に痩せている女性は、痩せていない女性と比較して、中高年期に低骨密度であるリスクが4倍であることが分かっています*2。若年から中高年期にかけて痩せた状態を改善すると、中高年期の低骨密度を予防できる可能性があります。
(骨粗しょう症の予防は、きらりweb No.70をご覧ください。)

*1 M Sato,et al.J Clinical Endocrinology&Metabolism.2021;106(5):e2053–e2062
*2 Y Tatsumi,et al.J Epidemiol.2016;26(11):572-578

まずは食生活を振り返りましょう

 1日に必要なエネルギー量と摂取の目安は、性別、年齢、身体活動レベルによって異なります。自分にとって適正な食事量の目安を知り、食生活を振り返ってみましょう。

農林水産省「一日に必要なエネルギー量と摂取の目安 対象者の身体活動レベルでコマの大きさが決まる」

監修

公益財団法人 大阪府保健医療財団 大阪がん循環器病予防センター
循環器病検診部 医師 岡田武夫

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