暑さ厳しい日本の夏。総務省によると、2024年5月~9月の熱中症による救急搬送人員は約9万7,600人で、調査開始以降、最も多くなりました※1。今年の夏も全国的に平均気温より高くなると予想されていますので※2、熱中症予防を行い、暑さに負けない生活を送りましょう。
※1「令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」(総務省)
※2「3か月予報(2025年5月20日発表)の解説 向こう3か月の天候の見通し全国 (6月~8月)」(気象庁)
朝・昼・夜の
熱中症予防のポイント
熱中症予防は、日中の外出時だけでなく朝も夜も必要です。気を付けておきたいポイントをおさえて、適切な予防に取り組みましょう。

- 起床後に水分を補給。
- 朝食は毎朝とり、栄養を補給。
- 体調を確認(二日酔いや睡眠不足がないかなど)。
- 天気予報や、熱中症の危険性をチェック。
熱中症の危険性が高い日は熱中症警戒アラートまたは熱中症特別警戒アラートが発表されます。アラートが発表されている日は特に注意して対策を行いましょう。

- 外出時は帽子や日傘を使って直射日光を避ける。
- 通気性がよく吸湿性・速乾性のある衣服や冷却グッズを身に付ける。
- クーリングシェルター*や冷房が効いた施設で暑さをしのぎ、こまめに休憩をとる。
*危険な暑さから避難できる涼しい場所として市区町村が指定した施設のこと。 - こまめに水分を補給する。
- 気温と湿度を常にチェックし、エアコンなどで室温を調整する。

- 熱中症の症状が遅れて現れることもあるため、体調を確認する。
- 運動や入浴などで汗をかき、暑さに体を慣れさせる。
- アルコールの摂取は少なめにする。
- エアコンを適切に使用し、涼しく快適な睡眠環境をつくる。
- 睡眠時間を十分に確保するため、早めに就寝する。
自分自身や周囲の人の状態も
注視しよう
下記のような方は、特に熱中症になるリスクが高いため、自分自身はもちろん周囲に該当する人がいる場合は、健康状態を注視し、声掛けなどを行いましょう。
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高齢者
救急搬送される熱中症患者の半数以上は高齢者となっています。エアコンの使用や水分補給など、声掛けをするようにしましょう。
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こども
暑さや不調を感じてもうまく伝えることができないため、周囲の大人が気付いてあげることが大切です。
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屋外で働く人
屋外で活動する場合は、常に熱中症になるリスクがあることを意識してください。不調を感じたら、すぐに管理者等に申し出るようにしましょう。
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調理などで火を使う人
調理中に倒れてしまうと、大けがや事故につながる可能性があります。調理方法を工夫したり、室内温度を調整するようにしましょう。
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スポーツをする人
その日の気温や体調を必ずチェックし、運動時間の短縮や中止を検討しましょう。
滋慶医療科学大学医療科学部臨床工学科教授 岡田武夫