日本人に多い近視。近視は大人になれば進行することはないと思われがちですが、そうではありません。近視が進み強度近視になると、緑内障をはじめとする失明につながる病気を引き起こしやすくなることが分かっています。また、緑内障は高齢者だけではなく、若いうちに発症するケースもあります。近視だけが原因で失明することはありませんが、近視のリスクを知り、進行を防ぐ生活習慣を心掛けましょう。
近視とは
近視は、基本的に眼球の前後方向の長さ(眼軸長)が伸びることで起こります。長さが正常だと、網膜でピントが合いますが、長くなる(近視になる)と網膜の手前でピントが合ってしまうため、遠くがぼやけて見えずらくなります。
近視は遺伝により起こることもありますが、主にその多くは「近くを見過ぎる」ことで起こります。

近視が招く目の病気
近視が進み、強度近視になると、以下のような目の病気のリスクが上昇します。これらの病気は、放っておくと失明する可能性があるため、眼科の定期健診を受けて早期発見につなげることが大切です。
・網膜剝離
・近視性黄斑変症
・網脈絡膜萎縮

目のセルフケア術
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作業の合間に目を休ませる
パソコン作業などで目を連続的に使う場合は、1時間に1度、2m以上遠くを見て目を休めましょう。5分ほど行うと、ピント調節を行う筋肉(毛様体筋)のストレッチになり、目の血流もよくなります。
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適正な距離で見る
スマートフォンや本は30cm以上、タブレットやパソコンは40cm以上離して見るようにしましょう。
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遠近トレーニングを行う
成人の近視は、眼軸長が伸びて起こる「真性近視」と一時的に近視の状態になる「仮性近視」が合わさっていることがほとんどです。遠近トレーニングは、仮性近視を改善する効果が期待できます。
2m以上遠くにある目標物と、30cm程度の近くにある目標物を10秒ずつ交互に見ます。これを1セットとして、10セット行いましょう。
保健師 山田絢音