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秋はノロウイルス感染症に注意

秋はノロウイルス感染症に注意

 ノロウイルスによる食中毒は、11月頃から増え始め、12月から翌1月頃が発生のピークとなっています。感染力が強く、大規模な集団発生を起こしやすい病気ですので、正しい対策を知り、日頃から心掛けるようにしましょう。

ノロウイルスの感染経路

 ノロウイルスの主な感染経路は、ウイルスに汚染した食品を食べることによる「経口感染」です。また、感染した人の便やおう吐物に含まれるノロウイルスから、「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」が起こることもあります。

ノロウイルスの症状

4つのノロウイルス対策

 ノロウイルスはワクチンがなく、治療は対症療法に限られるため感染予防を徹底することが大切です。ノロウイルスは食品の中ではなく、人の腸管に入ってから増殖するため、ノロウイルスによる食中毒を防ぐには、「持ち込まない」「つけない」「やっつける」「ひろげない」の4つがポイントになります。

4つのノロウイルス

ノロウイルスを「持ち込まない」

調理する人が感染していると、その人が調理した食品を食べることによって周りの人に二次感染してしまいます。感染を防止するには、調理場にウイルスを持ち込まないことが重要です。

  • 日頃から丁寧な手洗いや健康管理を心掛け、感染予防に取り組む。
  • 腹痛や下痢など、感染が疑われる症状がある場合は、食品を直接取り扱う作業をしない。

ノロウイルスを「つけない」

手洗いを徹底し、食品や食器、調理器具などにウイルスをつけないようにしましょう。

手洗いのポイント
  • 指輪や腕時計などのアクセサリーを外し、石けんで洗う。
  • 指先や指の間、爪の間、親指の周り、手首、手の甲など汚れの残りやすいところも丁寧に洗う。
  • トイレに行った後、調理する前、調理中、食材や調理器具が変わるときなどは必ず洗う

ノロウイルスを「やっつける」

  • 食品に付着したノロウイルスを死滅させるため、中心部が85℃以上で90秒以上加熱する。特に貝類は十分に火を通す。
  • 調理器具は洗剤などで洗浄した後、必要に応じて殺菌するなど、調理場や道具類のウイルス除去にも気を配る。

ノロウイルスを「ひろげない」

ノロウイルスが発生したら、食器や室内の消毒を徹底。また、おう吐物の処理の際は二次感染しないよう対策しましょう。

消毒のポイント
  • 感染者が使ったものや、おう吐物が付いたものは、他のものと分けて洗浄・消毒する。
  • ドアノブなども、消毒する。
  • 衣類を洗濯するときは、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いし、十分すすぐ。

※消毒は、「塩素系消毒液」で行いましょう。
塩素系消毒液は、酸性の強い洗剤と混ぜると有毒なガスが発生しますのでご注意ください。刺激が強いので、手指用消毒剤として使用することはできません。また、使用する際は手袋などを着用し、直接皮膚に触れないように気を付けましょう。使用の際には換気を十分に行ってください。

おう吐物などの処理のポイント
  • マスクやガウン、手袋などを着用し、おう吐物などが乾燥する前にペーパータオルで除去。ふき取ったペーパータオルはビニール袋に入れて密封する。
  • おう吐物などが付いた場所を消毒液で浸すようにしてふき取る。
  • 身に付けたマスクなどは、別のビニール袋に入れて密封する。
  • 処理が終わったら、石けんで丁寧に手を洗う。
  • 換気は屋内への拡散防止のため、おう吐物の処理が終わってから、空気の流れに注意して行う。
監修

医師 岡田武夫

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