最近ちょっと太った?
いえいえ、私は体重キープしているから大丈夫よ、というあなた。
実は、太っていなくても肥満と診断されることがあるのです!
その理由は・・・
あなたはリンゴ?洋ナシ?それとも……
肥満とひと言でいっても、脂肪のつき方でいくつかのタイプがあることをご存知ですか。たとえば、お腹周りがぽっこり出てくるタイプの肥満はその形から「リンゴ型*1」、おもにおしりや下腹に皮下脂肪がつきやすいタイプの肥満は「洋ナシ型*2」と呼ばれています。さらに、見た目は太っていなくても、筋肉が少ないためいったん太るとなかなか痩せにくい体質の「バナナ型」というのもあり、日本人の肥満はほぼ、このうちのどれかに当てはまると言われています。
*1 上半身型・中心型・男性型とも言う。内臓脂肪が多いタイプ。
*2 下半身型ともいう。皮下脂肪が多いタイプ。
隠れた脂肪を探し出せ!
自分が肥満かどうかを測るひとつの目安に、BMIという指数があります。これは、体重kg÷(身長m×身長m)で割り出され、成人の場合、数値が18.5以上25未満なら普通体重、それ以上なら肥満と判定されるのです。しかし、BMIが正常範囲内だからといって安心してはいけません。見落としてはならないのが体脂肪率です。たとえば、男性で25%以上、女性で30%以上ある場合、たとえ見た目は痩せていても体の中に脂肪が蓄積されている可能性があります。これが、「隠れ肥満」と呼ばれるものです。
当健保組合の肥満率は、男性が高く、女性は低い傾向にあります。とくに男性の40歳~54歳までの層で肥満率が高く、45歳~49歳の肥満率は37%にもなっています。また、生活習慣病で重症化になっている方は肥満率が高い傾向にあります。
今は、体重計に乗るだけのものや親指を当てて計るハンディタイプなど、さまざまな体脂肪計*3があります。一度計ってみてはいかがでしょう。
*3 計測の時間帯や皮膚の状態などによって数値が変わることがあります。あくまでも目安としてお使いください。
痩せているのにメタボ?
隠れ肥満の恐いところは、外見では分からない内臓の周りなどに脂肪がこびりついているケースが多いことです。この内臓脂肪の多い人で糖尿病、高血圧、脂質異常症などの症状が複数出ている状態がいわゆるメタボ(メタボリック症候群)と呼ばれるものです。そしてメタボの人は心血管疾患を起こしやすいことがわかっています。
ちなみにメタボとは「代謝」を表すギリシャ語からきていて、体の代謝がうまくできていない状態(高血糖、脂質異常など)を指します。
当健保組合のメタボリックシンドローム判定では、肥満と同様に該当者が45歳~59歳までの層で高く、55歳~59歳の該当者は42%になっています。また、糖尿病や高血圧、脂質異常等の生活習慣病の予備群や、治療をしなければならないのに放置している方の肥満率は低い傾向にあるのですが、油断して肥満を招くと重篤な疾病に移行する危険性があります。痩せ型の私がメタボだなんて!ピンとこないかも知れませんが、実際に誰にでも起こりうることなのです。
肥満解消に裏ワザなし
さて、肥満の原因の約3割は遺伝的要素といわれ、あとの7割は生活環境のさまざまな要素が積み重なって起こります。溜まり過ぎた体脂肪を減らし肥満とサヨナラするには、まずは食生活の改善。カロリーを摂り過ぎないことはもちろんですが、規則正しく1日3食、寝る前には食べないなど、食べ方や栄養バランスにも注意しましょう。そしてウォーキングなどで運動不足を解消し、アルコールは適量に、さらにストレスの発散を心がけるなどなど。残念ながら肥満解消に、これさえやればOKという裏ワザはありません。侮ることなかれ、さまざまな病気の引き金となる肥満。日々の生活習慣そのものを見直し、ひとつずつ改善していきましょう。
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